東日本大震災復興状況

ずっと、「日本人なら東日本大震災復興状況を共有すべき」と思っていましたが、やっと実現しました。

以前テレビで見ていた、南三陸ホテル観洋の取り組みを実感しました。地震時のお客様避難の状況。電気水道が止まる中、帰れないお客様や避難してきた地域住民のお世話。学校へ行けない子どもたちに寺子屋や、大人には沈む心を癒すイベントなどで、地域のために力を尽くしてこられました。「震災を忘れてはならない」と当ホテルが運行されている語り部バスに乗ることができました。

満員のお客様で、大型バス2台。あまりに悲しい状況に、また地域の方の心情を思うと、写真はあまり撮れません。

語り部バスで、まず第一声は、「みなさま 当時多くの寄付やご支援をありがとうございました。」でした。私たちにできることは、本当に微々たることで、申し訳ないです。

まずは、戸倉地区。こちらの小学校・保育園はもちろん津波に襲われましたが、チリ地震津波の被害があった場所で、先生方の事前の避難についての話し合いが度々行われて、小学校屋上でなく、近くの小高い丘に避難して犠牲者はありませんでした。それより高い位置の中学校では、山の方向から海の方向からと波が襲い、救助に出た中学生や地域住民が流されたそうです。こんな高い所(23.9m)まで津波がと、涙涙で、写真は撮れません。

次に高野会館。当日はイベントがあり、地震でスタッフさんの声掛けで、皆さん屋上に避難して助かったそうです。この建物は、考えられないほどのコンクリートで強固に作られているため、窓ガラスは割れているものの、津波にも打ち勝ちました。

そのすぐ近くの南三陸町防災対策庁舎。24歳の女性職員が、ずっと住民に避難を促す放送をして亡くなった所です。津波は12mを超え、屋上に避難していた方もほとんど流されたそうです。

語り部バスの最後は、「ここのことを忘れないでください。今日見た聞いたことを周りの方にお話の上、万が一の話し合いをしておいてください。」でした。この日バス2台で、7〜80人がこの話をお聞きしました。みなさま 帰ってこの話をされていると思います。

女川町では、旧女川交番。ひっくり返ったまま遺してあります。

74名の小学生が犠牲になった旧大川小学校。ここには確かに、子どもたちの生活がありました。地震後、50分も校庭で、どこに避難するかの話し合い後、近くの橋にと移動し始めると川から山から波がきてぶつかり合い、校庭でグルグル回ったそうです。すぐ近くの裏山に上らせていればと、誰でも考えます。でも、この地域では、今まで大きな被害もなく、危機意識が高くなかったそうです。

海岸近くの低い地域は、今はどこも空き地になっていますが、そこには震災以前何百軒の暮らしがあったのです。高台に○○団地と看板があり、新しい家が並んでいます。この地を後にした方も多いでしょうが、新しい生活に立ち上がる人々もいらっしゃいます。微力ですが、供花をし、買い物をして応援し、復興をお祈りしました。

想定をはるかに超える自然災害が起こります。生死を分けるのは、日頃の危機意識と話し合い・訓練だと実感しました!

未来の年表 未来の年表2 人口減少の実態

今回は、こちら。河合雅司(かわいまさし)氏著「未来の年表」「未来の年表2」です。

まずは、「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」です。

内容紹介は、(出版社より)一部抜粋

日本が人口減少社会にあることは「常識」。だが、その実態を正確に知る人はどのくらいいるだろうか? 第1部では「人口減少カレンダー」とし、2017年から2065年頃まで、いったい何が起こるのかを、時系列に沿って、かつ体系的に示した。第2部では、第1部で取り上げた問題への対策を「10の処方箋」として、なるべく具体的に提示した。人口減少に関する日々の変化というのは、極めてわずか。ゆえに人々を無関心にする。だが、それこそがこの問題の真の危機、「静かなる有事」である。本書は、これからの日本社会・日本経済を真摯に考えるうえでの必読書となる。  とあります。

我が国の人口減少は、そんなに深刻なのでしょうか? 人口減少カレンダーのこれらの各項目について統計資料を見てみましょう。

まずは、こちらをご覧ください。人口減少の実態です。令和4年版高齢社会白書から高齢化の推移と将来推計です。この図からお分かりのとおり、我が国の人口は、08年の12,808万人をピークに一貫して減少していきます。

そしてこちらは、出生数及び死亡数の将来推計です。死亡数は、‘22年は1,568,961 人で、‘21年の 1,43 9,856 人より 129,105 人増加しています。

出生数は‘22年 770,747 人で、‘21年の 811,622 人より 40,875 人減少しています。これだけ見ると人口は‘22年に798,214人減少しています。この表の‘25年推計より、死者数は多く出生数は少なくなっていて、推計よりも人口減少の進み方が早いことが分かります。

次は、総務省統計局の人口推計から我が国の人口ピラミッドです。縦軸は年齢。下が0歳で上は100歳超です。横軸が人口です。生き物としては、下が多くて上に行くに連れてだんだん減少していくのが良いのでしょうが、若い人程人口が少ないのが実態です。70歳超の人口が多いところが団塊の世代、50歳辺りが団塊ジュニアです。2020年 女性の2人に1人が年齢50歳以上になっていることが分かります。出産できる年齢の女性が減少していくのですから、これから加速度的に人口減少するのは目に見えていますね。

次に、国土交通省の資料 家族類型別一般世帯数及び単独世帯割合の推移です。一番下のピンクの部分が、単独世帯で、年々増加し、‘20年が29.7%となっていて、まさに2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化しています。

次に、再度この資料ですが、高齢化率は、赤の折れ線です。総務省の発表によると現在29%となっていて、2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」になります。ついでに言うと、全人口の5.6人にひとりが75歳以上です。

次に、65歳以上の認知症患者の推定者と推定有病率です。65歳以上の5.4人にひとりがなると言われています。高齢所の増加と共に認知症患者数も増加し、2026年 認知症患者が700万人規模になりそうです。

この後もたくさんの項目がありますが、全て事実となっていくことでしょう。

「未来の年表2人口減少日本であなたに起きること」の内容は、

内容(「BOOK」データベースより)

少子高齢社会のリアルな脅威は、何気ない日常にこそ潜んでいます。10年後、20年後、あなたの身に迫る事態を一覧にしました。今からあなたにできる「メニュー」8つも提案。  とあり、より身近に起こることを分り易い例として挙げています。

一つだけ例を挙げてみます。未来の年表に、「2025年 ついに東京都も人口減少へ」とありました。今まで地方から人を集めてきた東京も‘25年をピークに人口減少に向かうと推計されています。

そして、未来の年表2に「高級タワマンが、『天空の老人ホーム』に変わる」があります。かつてのニュータウンがオールドタウンになっているとお聞きになっているでしょう。高級タワマンも今現役の方々が購入され、何十年か後には、入れ替わりはあるにしろ、住人も年を重ねます。建物自体も古くなります。空き部屋も増えていくでしょう。

話は変わりますが、先日長崎の崩れ行く軍艦島の映像をテレビで見ました。今どんどん建築中のタワマンを始め、日本中が人口減少によってこんなことにならなければ良いなあと感じました。

ここまで、いろんなデータを見てきました。平均寿命が延びて少子高齢化により、社会構造も変化してきました。定年年齢は55歳から60歳、そして、65歳までの雇用確保は義務になりましたが、加えて希望する従業員を可能な限り70歳までの就業機会の確保が努力義務になっています。

年金も寿命の延びから一人ひとりの受給期間がどんどん延びています。厚生年金受給開始年齢も移行期間を経て、男性s36,4,2生まれ・女性s41,4,2生まれ以降の方は、65歳支給開始になります。繰り下げ受給の年齢が75歳までになりました。年金も今後どうなるか見守る必要があります。

一番右の数字は、65歳以上の人を16~64歳の現役世代が何人で支えるかという数字です。昭和25年は12.1人でひとり(胴上げ状態)でしたが、騎馬戦状態を経て、令和7年では1.9人でひとり(肩車状態)になるとされていて、これからもっと厳しくなっていきます。65歳以上の方も支え手にならないと社会が回らないということですね。

以前、長崎五島列島を観光した時、「80代は現役世代」と、観光客をおもてなししてくれました。二十年後には、日本中がそうなるのでしょうか。

今は、一次産業や介護職など幅広い業種で人手不足となっていますが、物流も‘24年問題と言われています。実際、飲料の赤いトラック以外は、中高齢のドライバーが多く見えます。そして、そのうち一般会社員も。いずれは、役場・警察・消防・自衛隊なども人手不足に陥るのでしょうか。このまま少子化が推移すれば、「日本なくすにゃ刃物は要らぬ30年間待てば良い」ということになるのでしょうか。

それに対して、著者河合雅司氏の「10の処方箋」がある訳です。

政治家の方々は、こうなる未来を把握して、異次元の少子化対策をとがんばっているのでしょう。

著者河合雅司氏の様に具体策を持つ方々が、日本を引っ張って行ってくれると良いなあ。と思う今日この頃です。

それでも病院で死にますかーゴールの場所はどこが良い?

こんにちは さくら終活の大西です。

今回は、こちら。「それでも病院で死にますか」です。

2019年12月に発行された尾崎容子医師の著書  です。

尾崎容子(オザキヨウコ)さんは、京都市中京区のおかやま在宅クリニック院長で、訪問診療医。1971年、大阪府生まれです。

内容は、内容紹介(出版社より)からご紹介します。

人生の最期をどこで迎えたいか――。
内閣府の2017年の調査によれば、その場所を「自宅」と答えた方は50%を超えていました。
なのに今の日本では病院での死が73%。自宅での死は13,2%にすぎません。
希望と現実のギャップのいっぽうで、その最後の療養生活についても、
病院と家ではここまで真逆なものでした。

こんなに違う! 最後の療養生活。
たとえば、
・病院は病を治すための箱→在宅は生活を支えるためのもの。
・病院では絶食→在宅は一口でも食べられる。
・病院はベッドで寝ているのが基本→在宅ではできるだけ「立って立って」と促す。
・病院はペット制限あり→在宅は猫や犬と一緒も大丈夫。
・病院は無条件に禁酒禁煙→在宅は本人の希望最優先。
・病院は病院の事情で患者の行動をしばる→在宅は、その人の生きてきたクセのまま、困りごとを支援する。
・病院では機器に囲まれての無機質な死→在宅で最期は家族みんなで旅立ちを手づくりする。

 とあります。

こう見ると、在宅は良いことばかりに見えますね。 でも難しいんじゃないかしらという感じがしますよね。 ちょっとデータから考えてみましょう。

この本発行後の2020年11月に日本財団が、「人生の最期の迎え方に関する全国調査」をしています。こちらをご覧ください。

その結果によると

人生の最期を迎えたい場所は、左のグラフで「自宅」58,8%、「医療施設」33,9%、「介護施設」4,1% と半数以上が自宅を希望されています。

逆に、避けたい場所としては、右のグラフで「子の家」42,1%、「介護施設」34,4%となっています。

また、同じ調査で、人生の最期をどこで迎えたいかを考える際に重視することは、
親は「家族の負担にならないこと」95,1%
子は「家族等との十分な時間を過ごせること」85,7%となっています。

では、現実はどうでしょうか?

国土交通省の資料で、厚生労働省「人口動態統計」より作成した死因別統計データが分り易いのでご覧ください。この本より、データが新しく、

2019年、人生の最期を迎えた場所として、「病院」が、71,3%と少し減少しています。

「自宅」が、13,6%、「老人ホーム」8,6%、介護医療院・ 介護老人保健施設3,0%

左のグラフは、年間の死亡者数の推移及び将来推計で、死亡者数の増加が続き、2030年以降は年間150万人程度、2040年には168万人と見込まれています。増え続ける医療費を削減するため、病床数は、減少していますし、老衰で止めようのない体の弱りは病院では対応不可という時代がくるのかも知れません。 

右のグラフは、死亡した場所別の死亡者数の推移で、近年、病院での死亡割合が最高約80%から減少に転じ、自宅を含めた病院以外での死亡割合が増加傾向で、自宅での死亡者数は、2000年13,4万人から2019年18,8万人へと約5万人増加しています。

では、治る病気の時にも病院で治療してもらえないかというとそうではありません。病院は、病気を治すところです。

あまり言うとこの本のネタバレになりますが、延命治療の代表のように言われる胃ろうには、良い胃ろうと悪い胃ろうがあるそうです。治療にはタイミングがあります。治すための治療はいつまでするのか?治療を続けることで、かえって苦しんだり、命を縮めたりしていないか?など、しっかりと考える必要がありますね。

ご自宅でゴールを迎えるためには、前もってそのための知識も必要です。専門家にも相談しましょう。そして、お金はかかりますが、医療・介護サービスを利用するのはもちろん、ご家族の協力は不可欠です。元気なうちから、愛情に満ちた良い関係を保ちたいですね。このように知識・お金・愛情と準備が必要です。

この世に生まれてきた以上、死亡率は100%です。愛するご家族を見送った後、「人生のゴールの仕方について思いを聞いていなかったので、あの送り方で良かったのか?かえって、苦しめたのではないか?」とずっと後悔している方がたくさんいらっしゃいます。

死について話すのは不謹慎だとか、縁起でもないと言わず、命の話し合いが必要です。

ご家族のみならず、(看護・介護に関わらない)遠くの身内やご本人の兄弟(子ども世代からいうとおじおば)にも、自分の命の話をしましょう。現状・病状・思いを知らずに強力に口出しされ、辛い思いをする場合も多いのです。

命の話合いをして、ご自身もご家族も希望のゴールを迎えましょう。

まずは、この「それでも病院で死にますか」を読んで知識を身につけてくださいね。いろんな方の実例もあり、勉強になりますよ。

次回も終活や生活について発信しますので、是非ご覧ください。

死ねない老人 & 87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし

今回はこちら。「死ねない老人」「続・死ねない老人」と「87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし」です。

「死ねない老人」は、医療法人社団 杉浦医院の理事長 杉浦敏之氏著です。

「死ねない老人」の内容は、(「BOOK」データベースより)

「はやく死にたいよ」忍び寄る“老後悲劇”の足跡―他人事では済まされない! 高齢者医療に25年間携わってきた医師が明かす「死にたくても死ねない高齢者」の悲惨な実態。  とあります。

それによると、死ねない老人には2パターンあるそうです。

1つ目は、生きがいもなく、「死にたい」が口癖の高齢者  そして、

2つ目は、治る見込みもないのに延命治療を施された高齢者

では、どう生きると良いのでしょうか?1つ目の人の解決策として参考になるかが、多良美智子さん著の「87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし」です。

内容紹介(出版社より)

87歳の今も、50年以上住む古い団地で、ひとり暮らしを続ける美智子さん。長年かけて、居心地良く整えてきた部屋で、「最期まで過ごしたい」。そのために、健康には気を遣い、毎朝6時からラジオ体操。朝食はプロテインやおから、アマニ油などが入った栄養満点スムージー。料理は簡単でも、お気に入りの器に盛って楽しむ。ウォーキングで摘んだ草花を窓辺に飾って。読書や裁縫、映画鑑賞…ひとりでできる趣味がたくさん。年をとり、できないことが増えるのは仕方ない。できることを大いに頑張り、楽しもう─。そんな前向きな姿勢が、孫の撮るYouTube「Earthおばあちゃんねる」で大反響。あっという間に登録者数6万人に。
「今が一番幸せです」と言いきる美智子さんの、生き方の秘訣を大公開。希望に満ちた「ひとり老後」指南。

とあります。

美智子さんは本当に多趣味ですね。あと、ボランティアとかで人の役に立つことをするのも良いですね。

年を重ねると、「きょうよう(今日用)・きょういく(今日行く)」が大切と言われます。美智子さんほどたくさんの趣味をもつことは難しいにしても、趣味や運動は大切ですね。

では、2つ目の人はどうしたら良いでしょうか? いや、もう治る見込みもないのに、苦しい時間を引き延ばすだけの延命治療を施されてしまったら、家族が「外して」と言っても、医師は他の親族から訴えられることを危惧するので、もうどうしようもないのです。

これは、厚生労働省の令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況の一部抜粋です。

日本人の死因を円グラフで表しています。 以前は、3大疾病としてがん・心疾患・脳血管疾患となっていましたが、令和3年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心疾患、第3位は老衰、第4位は脳血管疾患となり、老衰が増加しています。コロナ禍で少し鈍っているとは言え、少しずつ平均寿命は延びています。健康寿命との差は、男性 約9年、女性約12年。ppk(ピンピンころり)が理想と言われますが、健康上の問題で日常生活に制限がある時期が平均でこれだけあるということです。そしていずれ命のゴールを迎えます。 患者の死は医師の敗北という言葉があります。でもこれは老衰には当てはまらないと思います。いずれみんなに訪れるのですから。

こちらは、平成30年3月の人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書の一部抜粋です。 

口から十分な栄養をとれなくなった場合のいろんな治療についての問いがあります。ここに載せたのは、胃ろうについての問いです。手術で胃に穴を開けて直接管を取り付け、流動食を入れる胃ろうによる医療は「望まない」との回答が最も多く、一般国民 71.2%、医師 85.1%、看護師 86.7%、介護職員 89.8%と大多数の方が望まないとしています。より現状をご存じの看護・介護に関わっている専門家の方が望まない%が高くなっています。

同じ意識調査の中で、大切な人の死に対する心残りが「ある」と回答した方を対象に、どうしていたら心残りがなかったかを尋ねたものです。「あらかじめ身近で大切な人と人生の最終段階について話し合えていたら」良かったとする人が一番多いのです。

「続・死ねない老人」の帯には、新型コロナで「死」の意識は変わった!希望の最期を叶えるために家族が考えるべきこととはー  とあります。 もう皆さんお分かりですね。

まずは、人工呼吸器・心臓マッサージ・胃ろう・経鼻栄養・中心静脈栄養などの治療はどんな治療なのかを知りましょう。治る人にとっては普通の治療ですが、もう治らない人にとっては延命治療となります。

そして、①いずれくるその時にご自分はどうしたいかを考えましょう。②それからご家族とも命の話をしましょう。③その後遠くの親戚にもお話しましょう。近くで見ている家族は本人の希望どおりにと思うけれど、普段何もしない遠くに居る親族がしゃしゃり出て「できる限り生きてほしい。」等と方針をひっくり返して後悔する結果になることも多いのです。命の話合いをすることは、本人の希望する旅立ちに繋がるし、ご家族に後悔を残さない満足の見送りになるのです。

さくら終活では、延命治療意思表示カード等を作成し、YouTube で「延命治療とは」シリーズもUPしています。ご参考になれば幸いです。

あなたのぜい肉、落とします~心のゼイ肉と子どもの貧困

こんにちは さくら終活の大西です。

この頃、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。そんなこと言われるよね。」と共感しきりなんですが、今回は、永遠のテーマ ダイエットについてで、『あなたのゼイ肉、落とします』です。

内容は、ブックデータベースよりご紹介します。

ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ…。ベストセラー『あなたの人生、片づけます』の主人公・大庭十萬里の妹である大庭小萬里の指導が冴える、読んで痩せるダイエット小説。 とあります。

読んで痩せられるとは、どういうことでしょうか?

まずは、肥満者の現状から、こちらをご覧ください。

厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査報告結果の概要です。これによると、肥満者の割合は、男性33,0%。女性22,3%です。 ほとんどの人が、「ダイエットダイエット」と言っている様に感じますが、実際は、肥満の人はそう多くないですね。

美味しいものを美味しく食べられるのは幸せなことですが、ついつい食べ過ぎてしまう。

この原因を、『心のゼイ肉』と著者は表しています。心に澱が溜ってストレスから逃れるために食べ過ぎてしまいます。この心の問題を解決しない限り、いくら運動と食事制限をして瘦せても、またリバウンドを繰り返してしまいます。

心の澱も人それぞれです。自分に自信をなくしている人・本当に自分のしたいことを否定されている人・モラハラによる心の支配に苦しむ人。 その澱から逃れるためについ食べてしまうのですね。どれも一朝一夕に解決できる簡単な問題ではなく、辛い思いは堂々巡りします。

そして、今社会問題となっている子どもの貧困問題。親が忙しく働いて時間がなく、子どもはカップ麺とお菓子ばかり食べているという家庭もあります。味は濃く、カロリーは高いけれど、栄養不足なので空腹感を感じます。そのため、また食べるという繰り返しになって太ってしまいます。

こちらは、厚生労働省の平成29年版厚生労働白書世帯構造別 相対的貧困率の推移です。中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合「子どもの貧困率」は、2015年時点で13.9%でした。

世帯類型別では、母子家庭など大人1人親世帯の子どもの貧困率は50.8%に上り、生活が苦しい実態が浮かびます。本当に難しい問題です。でもただ手をこまねいていたのでは、解決できません。

片づけもダイエットも、あ、片づけに関しては、前回の『あなたの人生、片づけます』(URL ‹ さくら終活 — WordPress (sakurasyukatsu.moo.jp)) でお話していますのでご覧ください。 片づけもダイエットも表面に現れた状態は同じでも、原因はいろいろで根深い問題があるのですね。本人のみならず、家族近隣を巻き込み、心のゼイ肉を落として問題解決していく大庭姉妹 こういう人がたくさん居れば、世はとっても暮らしやすくなります。

心の解決ができて、心底から納得できたら、やはり、運動と食事制限。聞き飽きたことではありますが、

ただ、太って見えなければそれで良いかというとそうでもありませんよね。筋肉量が少なければ、将来、運動機能が低下し、立ったり、歩いたりといった移動機能が低下しますので、適度な運動をして、筋肉をつける必要があります。そして、消費カロリーより摂取カロリーが多ければ、当然太っていきますので、自分に合う食事制限も必要ですね。頭では分っていますが、なかなか難しいんですけどね。

さて、この小説の主人公大庭小萬里はどんな解決をして依頼者を救ったでしょうか? 皆さんも是非読んでみてくださいね。あなたも読んだら痩せられるかも?

次回も終活や生活について発信しますので、是非ご覧ください。

あなたの人生、片づけます・姑の遺品整理は迷惑です ~心の片づけ

こんにちは さくら終活の大西です。

この頃、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。そんなこと言われるよね。」と共感しきりなんですが、今回は、永遠のテーマお片づけについて。 『あなたの人生、片づけます』について、『姑の遺品整理は迷惑です』も絡めてお話いたします。

まず、『あなたの人生、片づけます』です。

内容は、ブックデータベースよりご紹介します。

社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、一部屋だけ片づいた部屋がある主婦…。『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』と考えている片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら汚部屋を綺麗な部屋に甦らせる。この本を読んだら、きっとあなたも断捨離したくなる!

とあります。

ここ数年、足の踏み場のないほど汚い部屋を汚部屋と言ったり、ゴミを出さずに溜め込んだ家をゴミ屋敷と呼ぶようになりました。

そこまでひどくなくても、使わない物がたくさんあるお宅も多いのではないでしょうか?

「何かの時に使うかも」「高価だったのでもったいない」「思い出がある」「分別の仕方が分からない」など捨てられない理由はさまざまですが、重症の人には深~い心の澱(オリ)があります。

ゴミ屋敷と呼ばれるようになる人は、うつ病や認知症、セルフネグレクトといった精神疾患が影響しているともいわれます。

この小説では、そこまで重症ではありませんが、現実を受け入れられなくて辛い思いを抱えていたり、自立できなかったり、世の変化を受け入れられず、古い価値観そのままだったりと複雑な問題があります。それらの心の問題を解決して、本人が心から納得できなければ、ただ単に片づけてもすぐにリバウンドしてしまいます。心の問題をどう解決するかを考えて調整し解決してくれるのが、主人公の大庭十萬里です。

次に『姑の遺品整理は、迷惑です』です。

こちらも、ブックデータベースより紹介します。

姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった。業者に頼むと高くつくからと、嫁である望登子はなんとか自分で遺品整理をしようとするが、あまりの物の多さに立ちすくむばかり。
「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、仕方なく片づけを始める。夫も手伝うようになったが、さすが親子、彼も捨てられないタイプで、望登子の負担は増えるばかりである。誰もが経験するであろう、遺品整理をユーモアーとペーソス溢れる筆致で描く長編小説。 とあります。

姑さんとの思い出を楽しみながらゆっくり片づけられれば良いですが、望登子の家も狭くて、一軒分を受け入れる余裕もありません。姑さんの賃貸マンションを返却するためには一刻も早く、ほとんど全てを分別して処分する必要があるけれど、遺品整理業社に依頼する金銭的余裕はありません。

大量のもう絶対使わない物が押し入れや天袋に所せましと仕舞い込まれていたので、引っ張り出し分別し、ゴミ収集の日時に合わせて、5階から重いゴミ出しに何往復もする。50代の望登子 体力的にも大変です。

この小説よりもっとひどくなり、床に物が溢れていると、つまずいたりしてケガの元になります。また、物を探す時間を取られ、有意義に過ごす時間も削られます。安心安全という意味でも片づけは必要なんです。

この小説では、70代の姑さんが突然死したのですが、誰しも人生はいつゴールが訪れるか分りません。ミニマリストとまではいかなくても、体力気力が有る時に、大切な物はまとめ、不要な物は片づけて、本当に必要なお気に入りの物に囲まれて生きていたいですね。そのためには、実際の片づけに入る前に心の片づけが必要なんですね。

表面に現れた状態は同じでも、この小説の様に、原因はいろいろで根深い心の問題があるのですね。心の片づけなくして家の片づけはできないようです。

自分のみならず、家族近隣を巻き込み、それぞれの問題を解決してくれる大庭十萬里。こういう人がたくさん居れば、世はとっても暮らしやすくなります。 

さて、このふたつの小説では本当に片付いたのでしょうか? 皆さんもぜひ読んでみてくださいね。

次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

後悔病棟 希望病棟 ー自分の人生は自分のもの

さくら終活の大西です。

このところ、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。そういうことあるよね。」と共感しきりですが、今回の小説では、あり得ない現象が起こって、一気に読んでしまいました。コミュニケーション能力と生き方が大きな二つのテーマだと感じます。

今回は、『後悔病棟』『希望病棟』について、こちらの『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』を少し交えてお話いたします。

2冊の内容は(「BOOK」データベースより)一部抜粋してご紹介します。

後悔病棟』については、

神田川病院に勤務する医師の早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、患者の気持ちがわからないのが悩みの種。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の“心の声”が聞こえてくるのだ。-母に反対されて夢を諦めた小都子が目を閉じて願うと、“もうひとつの人生”へ通じる扉が現れる。聴診器の力で“あの日”へ戻った患者達の人生は、どんな結末を迎えるのか。夢、家族、結婚、友情。共感の嵐を呼んだヒューマンドラマ。

続編の『希望病棟』については、

神田川病院に赴任した女医の黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、中庭で拾った聴診器を使うと患者の“心の声”が聞こえてきた。児童養護施設で育った桜子と代議士の妻で“従順な妻”として我慢を強いられてきた貴子の二人です。摩周湖の勧めで治験を受けた二人は快方に向かい、生き直すチャンスを得る。共感の嵐を呼んだヒューマン・ドラマ。 

この2冊とも人の気持ちが分らないと言われる女性医師が、不思議な聴診器を拾うところから話が始まります。

『2人にひとりがんになり、3人にひとりがんで死ぬ。』と言われる昨今ですが、ここで担当する患者は、末期がん患者で、余命数か月と宣告されています。がん細胞は増加して体は弱ってきますが、頭はしっかりしています。人生の終焉を意識して人生を振り返り、後悔で押しつぶされそうになっています。

そんな患者を担当する医師は頼りなく見えて、「担当医を変えて。」と言われます。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』これは、孫活で読んだ本ですが、今回の2冊に通じることがあります。「(患者と患者家族の)どんなふうに育ってきたのかといった背景を知っていれば・・・もっと優しい言葉をかけてあげられるはず。」(成田教授)の言葉です。「病を診るのではなく、人を観る」これは、(山中教授)の言葉です。

今回の小説の二人の医師は、本当は患者の気持ちが他の医師よりも分っているのです。ただ、コミュニケーション能力が低く、表現の仕方が言葉足らずなんです。これは、育ち方による自己肯定感の低さからきているんですね。(山中教授と成田教授の)この本で納得し、いかに家族の距離感が大切かを再認識しました。レジリエンス(ピンチを乗り越える力)が大切ともお話されています。

女医が、聴診器の力を借りて患者の心に寄り添うことで、患者は後悔を克服して心穏やかになります。女医も自己肯定感とレジリエンスを身に着けて、「担当医にしてください。」と言われるほど成長します。

また、死が迫っていた末期がんから奇跡的に良くなる患者もいます。生き直しの時間を与えられた彼らは、「今まで、会社人間だったけど、もっと家族や周りに愛情を持って接すれば良かった。」「周りに気を遣って、自分を抑えてきたけど、変わりたい。」等と考えます。

育ってきた環境によって、今の自分が作られたのは確かですが、自分の人生は自分のもの。自分はどうしたいか、これからどうなりたいかを優先し、行動することは大切です。

某保険のCMで「私はがんになって良かったと思ってるんですよ。」と言っている方がいますよね。人生に終わりがあることを意識したからこそ、人生の見直しをして、自分らしく充実した人生を送るようになったのですね。自分も他人も信じ、自分のために生き、人のために尽くす生き方を始めます。

「死ぬ時に後悔しない人生を送ろう。」とよく言われます。誰でもいつ何が起こるか分りません。普段から、自分に正直に後悔のない生き方を心掛けたいものですね。

次回も垣谷美雨さんの小説について発信していきますので、是非ご覧ください。

あきらめませんー若者から高齢者への支援は重く

こんにちは さくら終活の大西です。

この頃、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。そんなこと言われるよね。」と共感しきりなんですが、今回は、政治についてで、2022年5月に出版された『あきらめません』です。

内容は、ブックデータベースよりご紹介します。

結婚して三十数年。共働きかつワンオペ育児を卒業し、節約を重ねて住宅ローンも返済完了。定年退職を迎えた霧島郁子がやっと手に入れた夢のセカンドライフは、夫の田舎へ移住したことをきっかけに音を立てて崩れていく。閉鎖的な地域社会、染み付いた男尊女卑―時代遅れな現実を前に打ちのめされる郁子だったが、ある日出会った銀髪の女性議員・市川ミサオの強烈な後押しで、なぜか市議会議員に立候補することに…!?この土地で生まれ育った落合由香も巻き込み、ミサオ(80代)、郁子(60代)、由香(30代)は、世代をこえて「私たち」を取り巻く問題に立ち向かう!       とあります。

折から参院選真っ只中ですね。連日、選挙カーから「よろしくお願いします。」と叫んでいる声が聞こえます。今は孫も大きくなったので腹も立たないけれど。孫が赤ちゃんの頃、やっと寝たと一安心したところへ選挙カーが大声で叫ぶ。途端にギャーと起きる。『赤ちゃんが寝ているのでお静かに願いします.』と大きな大きな立て看板を立てたいと思いましたよ。

議員さんには「我々人生残り少ない高齢者より、子どもや孫たちの住む将来の日本のためにしっかりやってください。」とお願いしたいです。この主人公の様に本当に若者が住みやすくて移住したい街にするにはと本気で考えて行動してくれる人はいるのでしょうか?

私は、孫たちに常々言っています。「このまま少子高齢化が進むと、あなた達若者は、我々高齢者に搾取され続けて『働けど働けど我が暮らし楽にならじ」だから、英語を始めとする外国語を習得して、搾取されない国で自分のために暮らしなさい。」と。

というのは、日本の高齢化の推移は下の図のようになっているので、現役世代の負担は増加の一途になりそうだからです。このグラフは内閣府令和3年版高齢社会白書の高齢化の推移と将来推計です。横軸は年で、1950年から2065年までです。縦軸は人口。グラフの下が高齢者でピンクが75歳以上、水色が65~74歳、赤が15~64歳の現役世代、黄緑が0~14歳です。我々高齢者の全人口に占める割合である高齢化率は赤い折れ線グラフで2060年には38.1%になっています。黄緑の折れ線グラフは、65歳以上人口を15~64歳人口で支える割合で、50年前の1970年には9.8人で一人の高齢者を支えていたけれど2020年には2.1人、2045年以降1.4人でひとり支えることになる推計です。高齢化率は増える一方で現役世代の人口は減る一方です。

次に社会保障費の負担率です。

まずは、後期高齢者医療制度です。第1回社会保障審議会 後期高齢者 医療の在り方に関する特別部会の資料です。平成20年にこの制度が創設され、負担割合は変わっていません。国・都道府県・市区町村の税金から50%、高齢者医療支援金として各医療保険(健保・国保)から40%。残りの10%が後期高齢者の保険料です。

次に介護保険制度です。こちらは厚生労働省の『介護保険制度について』という資料です。保険料として40歳~64歳の第2号被保険者が28%、65歳以上の第1号被保険者が22%、合わせて50%。残りの50%を国・都道府県・市区町村が負担し、税金で賄われています。

次に年金制度です。こちらは、厚生労働省HPの『教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?』です。

「現行の公的年金制度は、現役世代が納めた保険料をその時々の高齢者の年金給付に充てる仕組み(賦課方式)を基本とした財政方式。その上で、経済の変動などにより、年金給付の支給に支障が生じないよう、過去に積み立てた積立金を活用しつつ運用している。と載っています。そして国民年金の支給額の2分の1を国庫(国の税金)が負担しています。

このように、社会保障給付に、現役世代から全人口の1/3の高齢者に対して支援しているのです。

終わりに、社会保障給付費(年金・医療・福祉その他)の推移(内閣府の資料)です。1950年から2017年までを表しています。これからも少子高齢化はどんどん進み、この負担は増加するでしょう。

このままでは、どこかの国の様に、若い優秀な人たちはどんどん海外移住するでしょうね。

現役世代の高齢者に対する負担増問題も少子化が解消すれば、全て解決します。経済だって上向くでしょう。

2.95こちらは岡山県奈義町の2019年の合計特殊出生率(一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均)です。同年の全国平均1.36に比べると2倍以上であることが分かります。奈義町は今もさまざまな子育て支援策を打ち出しています。少ない子どもを取り合いするより、奈義町のようにここで子育てしたいと思える環境があれば、どこでも子どもは増えていくのでしょうね。

少し前に『数年前の地方議会でのハラスメント発言の音声』が公表されていましたね。この小説の主人公霧島郁子は女性です。閉鎖的な地域社会、染み付いた男尊女卑、時代遅れな現実の中、これらの少子高齢化問題に対してどう対処したでしょうか?皆さんも是非読んでみてくださいね。あなたも読んだら郁子の街に移住したくなるかも。さて参院選。しがらみなく、本当に将来を見据えて活動してくれる霧島郁子のような候補者に投票しましょう。

次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

代理母、はじめました -社会格差と不妊治療

さくら終活の大西です。

このところ、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。この小説では、「20年後にはそんな社会になるの?」とびっくり仰天です。

今回は、『代理母、はじめました』についてお話いたします。

内容は(「BOOK」データベースより)ご紹介します。

独身のまま子供が欲しい、もう不妊治療をやめたい、五十を過ぎたら、家族は持てない?…貧困と虐待から脱するため、少女ユキが始めたのは“代理母ビジネス”。葛藤と不合理だらけの“命”の現場で、医師の芽衣子やゲイのミチオとタッグを組み、女たちの自由を求めて立ち上がる―!不妊、高齢、独身、ゲイ―もう“タブー”だなんて言ってられない。「子を抱きたい」人々と女たちが手をつなぐ出産革命小説。

とあります。

不妊治療は精神的にも肉体的にも辛いと聞きます。 不妊治療の現状はどうなっているでしょうか?

不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック 厚生労働省より2017年に日本では56,617人が生殖補助医療により誕生しており、これは全出生児童(946,065人)の6%にあたり、約16,7人にひとりの割合になります。

2022年4月より、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精、顕微授精等の「生殖補助医療」が保険適用されることとなり、経済的な負担が軽減されるので、朗報ですね。

次に、社会の格差について。下のグラフ左は、所得金額階級別世帯数の相対度数分布、右は貯蓄現在高階級別世帯分布です。両方とも、グラフの左側が金額が少なく、右にいくほど高くなっています。左側の所得金額のグラフをみると、「200~300万円未満」が 13,6%、「300~400万円未満」が 12,8%と多くなっています。中央値は 437万円であり、平均所得金額(552万3千円)以下の割合は 61,1%となっています。

右のグラフの貯蓄現在高 https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2020_gai2.pdf で、
二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると,貯蓄現在高の平均値(1791万円)を下回る世帯が67.2%(前年67.9%)と約3分の2を占めており,貯蓄現在高の低い階級に偏った分布となっているのがお分かりいただけます。

超有効な少子化対策が取られないために、少子高齢化はどんどん進みます。高齢者は老後の不安があってお金を使いません。若者は雇用形態も不安定でお金がなくて経済は回りません。格差社会はどんどん広がります。「少子化対策がきちっと機能すれば、経済も社会保障も全て解決する。」と言う政治家もいますが、このままで日本は大丈夫なんだろうかと心配になります。この小説は、2040年の社会で、少子高齢化はもちろん、地震や噴火の影響も出てすごい格差が広がっています。

代理母とは

代理出産は、子どもを望む女性が自分の子宮を使って妊娠・出産できない場合、夫と妻(又は卵子ドナー)との受精卵を第三者の女性である代理母の子宮に移植し、出産を依頼することで子どもを授かる方法です。日本では法律に基づく規制はありませんが、(平成15年)社団法人 日本産科婦人科学会の会告により、「生殖補助医療への関与、また代理出産への斡旋を行ってはならない」という見解を受けて行う事ができません。

この主人公ユキは、自分を含む貧困にあえぐ女たちと子どもが欲しい人を助けたいと考え、法律・規則を調べて代理母システムを始めました。

近江商人の心得に、三方良しという言葉があります。goo辞書によると、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ とあります。なんの仕事でも三方良しでないといけません。

さて、ユキはどんな三方良しで社会貢献をしたでしょうか。皆さんも読んでみてくださいね。

次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

四十歳、未婚出産 ー高齢者優遇から子ども優遇へ

さくら終活の大西です。

このところ、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。今回は、「そういう差別的なこといわれるよね~。」「この後どうなっていくのかな?」と興味津々の『四十歳、未婚出産』についてお話いたします。

内容は(「BOOK」データベースより)ご紹介します。

言うのか、言わないのか。産むのか、産まないのか。40歳を目の前にして思わぬ妊娠に揺れる、旅行代理店勤務の優子。お腹の子の父親である28歳のイケメン部下、頭の古い田舎の母親、妊婦を「腹ボテ」と言うパワハラ上司、不妊治療に悩む同僚、若さを誇る美人女子社員…。お腹はどんどん大きくなるけれど、本当のことはなかなか言えない。このままシングルマザーになって、やっていけるのか!?  とあります。

出生数、合計特殊出生率について

出生数は第二次ベビーブームを過ぎると年々減少しています。2019年の出生数が90万人を初めて割り込み、86万5,234人となり、「86万ショック」と呼ばれましたが、コロナ禍もあり、2020年生まれの赤ちゃんは84万832人。2021年は81万1604人とどんどん減少しています。

合計特殊出生率は、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子どもの数の平均です。2005年に過去最低の1,289でした。その後、少子化対策が功を奏して持ち直していましたが、2020年は1,34、2021年には1,30になりました。

一方、21年の死亡数は145万2289人で、我が国の人口はどんどん減少しています。

産休育休について

労働基準法で、産前休暇は出産予定日の6週間前から、産後休暇は出産の翌日から8週間まで取れると決まっています。また双子など多胎妊娠の場合は、予定日の14週間前から産前産休を取得できます。
育児休暇は、女性は産後休暇が終わった翌日から子どもが1歳になる誕生日の前日まで取得できます。男性は、子どもが生まれた日から1歳の誕生日前日まで取得できます。
また保育園の空きがなかったり、配偶者の死亡・ケガ・病気などの理由がある場合は、育休は最長子どもが2歳になるまで延長することもできます。

厚生労働省の「令和2年度雇用均等基本調査」で、女性の育児休暇取得率は81.6%、男性は12.65%となっていますが、この小説の様なパワハラ・マタハラなど頭の古い上司は困ったものですね。

保育園事情

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名のブログが話題になってから5年あまり過ぎました。この表からお分かりのように、待機児童は減少傾向にあるとは言え、保活でご苦労されている話を耳にしています。

今コロナ禍で、親御さんや周りの人の助けなしに子育てに奮闘していらっしゃる方も多いと思います。子どもは可愛いけれど、命を育むのは相当大変です。  

話は変わりますが、以前、老人マル優といって65歳以上対象に元本350万円まで預貯金の利子に対する利子税の非課税制度がありましたが、2005年末、高齢化率20,2%の時点で廃止になりました。それまでは、高齢者は優遇すべき存在でしたが、今や高齢化率28,8%で、2025年には30%を超えそうで3人にひとりは高齢者になります。

一方14歳までの子どもの率は、12%弱にまで下がっています。こんなに少子化が進んで、子どもたちが本当に少なくなっている現状で,今や優遇すべきは次代を担う子どもたちですよね。

昔は、子どもが多くて、子育てはどこでも見られました。今はあまり目にしないから、手探りの育児になって大変です。今後は、産休育休は当たり前で、復帰後は「将来を明るくしてくれてありがとう。」と、皆が感謝してくれる世になり、多様な生き方を認め、家族や周りを始め、社会全体で子育てを支える社会が望まれますね。

さて、この小説の優子さんはどんなお母さんになっているでしょうか?皆さんも読んでみてくださいね。次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。