もう別れてもいいですか ―離婚後の年金は?

こんにちは さくら終活の大西です。

この頃、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。そんなこと言われるよね。」と共感しきりなんですが、今回は、「がんばれ!そんなに悩むな。」と応援しながら読みました。

今回はこれ、『もう別れてもいいですか』についてお話いたします。

内容は、(出版社の内容紹介より)ご紹介します。

58歳の主婦・澄子は、横暴な夫・孝男との生活に苦しんでいた。田舎の狭いコミュニティ、ギスギスした友人グループ、モラハラ夫に従うしかない澄子を変えたのは、離婚して自分らしく生きる元同級生との再会だった。勇気を振り絞って離婚を決意するも、財産分与の難航、経済力の不安、娘夫婦の不和など、困難が山積。澄子は人生を取り戻せるのか?平凡な主婦による不屈の離婚達成物語  とあります。

この小説では、暴力なし浮気なしキャバクラ通いはするが生活費は出す。ただ、モラハラが嫌で性格の不一致が別れたい原因です。友人からは、「今まで我慢したのにそれだけなら我慢した方が良い。」と言われて悶々としています。でも、モラハラで近くに居ると息がちゃんとできないほどの夫現病は、許容範囲を超えています。

実際の我が国の離婚理由はどうなっているでしょうか。厚生労働省のHPから、離婚の申し立ての動機別割合です。資料が平成10年と古いですが、性格が合わないという理由が飛びぬけて多いです。澄子さんには安心してほしいですね。

澄子は、「離婚したい。でも、お金がないー。離婚したい。でも、お金がないー。離婚したい。でも、お金がないー。」 漠然と同じことを何度も何度も堂々巡りしています。

悶々とするだけでなく、一歩踏み出して具体的に考えてみましょう。自分にとって、最重要は何でしょうか。子どもたちは成人して独立しているので考えなくて良い。モラハラ夫はご主人さまで、妻は奴隷。これが現状。この先の人生約30年あまり。夫が要介護状態になったら、どうする。自分が要介護状態になったらどうしてくれるだろう。この先、約30年我慢できるのか。我慢できるなら我慢して、友人と同じく夫が早死にすることを祈っていれば良いでしょう。

それが無理なら、お金がないのが問題なのだから、具体的にマネープランを考えてみましょう。自分ひとりの生活費はいくら必要か。 どこに住むか。それにより住居費はいくらか。 ③仕事はいつまでするか。今の仕事を続けるか。 ④財産分与はどうするか。離婚するのか、夫が退職金を受け取ってそれも分与の対象にするか。(退職金離婚も多いですよね。)また、 ⑤年金はいくらか。遺族年金になるとどうか。年金を増やすにはどうするか。などなど、考えることはいっぱいあるので、書き出して整理してみると良いでしょう。

さて、老後の頼りの年金ですが、

公的年金のしくみや平均受給額については、『うちの子が結婚しないので』http://sakurasyukatsu.moo.jp/2022/05/14/%e3%81%86%e3%81%a1%e3%81%ae%e5%ad%90%e3%81%8c%e7%b5%90%e5%a9%9a%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%a7%e2%80%95%e8%80%81%e5%be%8c%e3%81%ae%e5%bf%83%e9%85%8d%e3%80%80%e5%b9%b4%e9%87%91%e3%81%ae/ で説明していますので、ご覧ください。

まず、夫婦の年金受給ですが、妻が夫よりも5歳年下で、夫の方が厚生年金が多い場合の例です。

夫婦それぞれが、1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金をご自分の年金として受け取ります。いずれは、ひとりになりますが、ここでは夫が先に亡くなった場合です。

遺族年金の受給方法は3種類あります。そのうち一番多い受取り方で説明します。夫の厚生年金の3/4より妻の厚生年金の方が少なければ差額が遺族厚生年金として上乗せになります。年金相談で、「遺族年金はいくらもらえますか?」という相談が最も多いですが、厚生年金の差額が増えるだけで、国民年金は妻自身のを引き続き受給しますので、思うほど増えなかったという方が多いです。夫の厚生年金の3/4と妻の厚生年金額が同じか妻の方が多ければ増えません。

そして、単身生活となるサードライフの生活費は、二人の時の約70%が目安です。

そして、遺族年金の次に質問の多い離婚分割についてです。下の図のように合意分割と3号分割の2種類があります。いずれも離婚から2年以内までの手続きとなります。

合意分割は、当事者の一方からの請求で当事者双方の合意、合意に至らなければ、調停・裁判手続により按分割合を定めます。平成19年4月1日以後に離婚等をした場合で、婚姻期間中の二人分の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を足して当事者間で決めた按分割合により、分割します。

3号分割は、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求で、第2号被保険者の厚生年金が、当然に1/2に分割されます。平成20年5月1日以後に離婚等した場合で、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の第3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割します。

一旦分割すると元には戻せません。

簡単にいうと、国民年金は、自分自身ので、厚生年金は、遺族年金だと3/4で、離婚分割だと最高でも二人分合計の1/2です。

人生は修行だとか、結婚生活継続の秘訣は忍耐だとか言われますが、いろんなケースがあります。

夫婦を始め、どの人間関係でも、人という字の様に互いが対等に支え合っている感じが理想ですよね。入るという字の様に片方が下から支え続けるのでは重すぎて、いずれ倒れてしまいます。

ある俳優の妻が、ずっと 「あなたの夢を応援するのが私の幸せ」と言っていたのに、70歳過ぎて「私の人生返して」と言ったとか。

子どもの人生は子どものもの 配偶者の人生は配偶者のもの 自分の人生は自分のもの

自分のことは基本的に自分でできるようにするのがお互いのためです。要望はその都度言い方を考えて言いましょう。時にはブチ切れても良いのです。

さて、この『もう別れてもいいですか』では、どんな解決になったでしょうか。皆さんも読んでみてくださいね。次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

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