死ねない老人 & 87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし

今回はこちら。「死ねない老人」「続・死ねない老人」と「87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし」です。

「死ねない老人」は、医療法人社団 杉浦医院の理事長 杉浦敏之氏著です。

「死ねない老人」の内容は、(「BOOK」データベースより)

「はやく死にたいよ」忍び寄る“老後悲劇”の足跡―他人事では済まされない! 高齢者医療に25年間携わってきた医師が明かす「死にたくても死ねない高齢者」の悲惨な実態。  とあります。

それによると、死ねない老人には2パターンあるそうです。

1つ目は、生きがいもなく、「死にたい」が口癖の高齢者  そして、

2つ目は、治る見込みもないのに延命治療を施された高齢者

では、どう生きると良いのでしょうか?1つ目の人の解決策として参考になるかが、多良美智子さん著の「87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし」です。

内容紹介(出版社より)

87歳の今も、50年以上住む古い団地で、ひとり暮らしを続ける美智子さん。長年かけて、居心地良く整えてきた部屋で、「最期まで過ごしたい」。そのために、健康には気を遣い、毎朝6時からラジオ体操。朝食はプロテインやおから、アマニ油などが入った栄養満点スムージー。料理は簡単でも、お気に入りの器に盛って楽しむ。ウォーキングで摘んだ草花を窓辺に飾って。読書や裁縫、映画鑑賞…ひとりでできる趣味がたくさん。年をとり、できないことが増えるのは仕方ない。できることを大いに頑張り、楽しもう─。そんな前向きな姿勢が、孫の撮るYouTube「Earthおばあちゃんねる」で大反響。あっという間に登録者数6万人に。
「今が一番幸せです」と言いきる美智子さんの、生き方の秘訣を大公開。希望に満ちた「ひとり老後」指南。

とあります。

美智子さんは本当に多趣味ですね。あと、ボランティアとかで人の役に立つことをするのも良いですね。

年を重ねると、「きょうよう(今日用)・きょういく(今日行く)」が大切と言われます。美智子さんほどたくさんの趣味をもつことは難しいにしても、趣味や運動は大切ですね。

では、2つ目の人はどうしたら良いでしょうか? いや、もう治る見込みもないのに、苦しい時間を引き延ばすだけの延命治療を施されてしまったら、家族が「外して」と言っても、医師は他の親族から訴えられることを危惧するので、もうどうしようもないのです。

これは、厚生労働省の令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況の一部抜粋です。

日本人の死因を円グラフで表しています。 以前は、3大疾病としてがん・心疾患・脳血管疾患となっていましたが、令和3年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心疾患、第3位は老衰、第4位は脳血管疾患となり、老衰が増加しています。コロナ禍で少し鈍っているとは言え、少しずつ平均寿命は延びています。健康寿命との差は、男性 約9年、女性約12年。ppk(ピンピンころり)が理想と言われますが、健康上の問題で日常生活に制限がある時期が平均でこれだけあるということです。そしていずれ命のゴールを迎えます。 患者の死は医師の敗北という言葉があります。でもこれは老衰には当てはまらないと思います。いずれみんなに訪れるのですから。

こちらは、平成30年3月の人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書の一部抜粋です。 

口から十分な栄養をとれなくなった場合のいろんな治療についての問いがあります。ここに載せたのは、胃ろうについての問いです。手術で胃に穴を開けて直接管を取り付け、流動食を入れる胃ろうによる医療は「望まない」との回答が最も多く、一般国民 71.2%、医師 85.1%、看護師 86.7%、介護職員 89.8%と大多数の方が望まないとしています。より現状をご存じの看護・介護に関わっている専門家の方が望まない%が高くなっています。

同じ意識調査の中で、大切な人の死に対する心残りが「ある」と回答した方を対象に、どうしていたら心残りがなかったかを尋ねたものです。「あらかじめ身近で大切な人と人生の最終段階について話し合えていたら」良かったとする人が一番多いのです。

「続・死ねない老人」の帯には、新型コロナで「死」の意識は変わった!希望の最期を叶えるために家族が考えるべきこととはー  とあります。 もう皆さんお分かりですね。

まずは、人工呼吸器・心臓マッサージ・胃ろう・経鼻栄養・中心静脈栄養などの治療はどんな治療なのかを知りましょう。治る人にとっては普通の治療ですが、もう治らない人にとっては延命治療となります。

そして、①いずれくるその時にご自分はどうしたいかを考えましょう。②それからご家族とも命の話をしましょう。③その後遠くの親戚にもお話しましょう。近くで見ている家族は本人の希望どおりにと思うけれど、普段何もしない遠くに居る親族がしゃしゃり出て「できる限り生きてほしい。」等と方針をひっくり返して後悔する結果になることも多いのです。命の話合いをすることは、本人の希望する旅立ちに繋がるし、ご家族に後悔を残さない満足の見送りになるのです。

さくら終活では、延命治療意思表示カード等を作成し、YouTube で「延命治療とは」シリーズもUPしています。ご参考になれば幸いです。

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