あなたのぜい肉、落とします~心のゼイ肉と子どもの貧困

こんにちは さくら終活の大西です。

この頃、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。そんなこと言われるよね。」と共感しきりなんですが、今回は、永遠のテーマ ダイエットについてで、『あなたのゼイ肉、落とします』です。

内容は、ブックデータベースよりご紹介します。

ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ…。ベストセラー『あなたの人生、片づけます』の主人公・大庭十萬里の妹である大庭小萬里の指導が冴える、読んで痩せるダイエット小説。 とあります。

読んで痩せられるとは、どういうことでしょうか?

まずは、肥満者の現状から、こちらをご覧ください。

厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査報告結果の概要です。これによると、肥満者の割合は、男性33,0%。女性22,3%です。 ほとんどの人が、「ダイエットダイエット」と言っている様に感じますが、実際は、肥満の人はそう多くないですね。

美味しいものを美味しく食べられるのは幸せなことですが、ついつい食べ過ぎてしまう。

この原因を、『心のゼイ肉』と著者は表しています。心に澱が溜ってストレスから逃れるために食べ過ぎてしまいます。この心の問題を解決しない限り、いくら運動と食事制限をして瘦せても、またリバウンドを繰り返してしまいます。

心の澱も人それぞれです。自分に自信をなくしている人・本当に自分のしたいことを否定されている人・モラハラによる心の支配に苦しむ人。 その澱から逃れるためについ食べてしまうのですね。どれも一朝一夕に解決できる簡単な問題ではなく、辛い思いは堂々巡りします。

そして、今社会問題となっている子どもの貧困問題。親が忙しく働いて時間がなく、子どもはカップ麺とお菓子ばかり食べているという家庭もあります。味は濃く、カロリーは高いけれど、栄養不足なので空腹感を感じます。そのため、また食べるという繰り返しになって太ってしまいます。

こちらは、厚生労働省の平成29年版厚生労働白書世帯構造別 相対的貧困率の推移です。中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合「子どもの貧困率」は、2015年時点で13.9%でした。

世帯類型別では、母子家庭など大人1人親世帯の子どもの貧困率は50.8%に上り、生活が苦しい実態が浮かびます。本当に難しい問題です。でもただ手をこまねいていたのでは、解決できません。

片づけもダイエットも、あ、片づけに関しては、前回の『あなたの人生、片づけます』(URL ‹ さくら終活 — WordPress (sakurasyukatsu.moo.jp)) でお話していますのでご覧ください。 片づけもダイエットも表面に現れた状態は同じでも、原因はいろいろで根深い問題があるのですね。本人のみならず、家族近隣を巻き込み、心のゼイ肉を落として問題解決していく大庭姉妹 こういう人がたくさん居れば、世はとっても暮らしやすくなります。

心の解決ができて、心底から納得できたら、やはり、運動と食事制限。聞き飽きたことではありますが、

ただ、太って見えなければそれで良いかというとそうでもありませんよね。筋肉量が少なければ、将来、運動機能が低下し、立ったり、歩いたりといった移動機能が低下しますので、適度な運動をして、筋肉をつける必要があります。そして、消費カロリーより摂取カロリーが多ければ、当然太っていきますので、自分に合う食事制限も必要ですね。頭では分っていますが、なかなか難しいんですけどね。

さて、この小説の主人公大庭小萬里はどんな解決をして依頼者を救ったでしょうか? 皆さんも是非読んでみてくださいね。あなたも読んだら痩せられるかも?

次回も終活や生活について発信しますので、是非ご覧ください。

代理母、はじめました -社会格差と不妊治療

さくら終活の大西です。

このところ、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。この小説では、「20年後にはそんな社会になるの?」とびっくり仰天です。

今回は、『代理母、はじめました』についてお話いたします。

内容は(「BOOK」データベースより)ご紹介します。

独身のまま子供が欲しい、もう不妊治療をやめたい、五十を過ぎたら、家族は持てない?…貧困と虐待から脱するため、少女ユキが始めたのは“代理母ビジネス”。葛藤と不合理だらけの“命”の現場で、医師の芽衣子やゲイのミチオとタッグを組み、女たちの自由を求めて立ち上がる―!不妊、高齢、独身、ゲイ―もう“タブー”だなんて言ってられない。「子を抱きたい」人々と女たちが手をつなぐ出産革命小説。

とあります。

不妊治療は精神的にも肉体的にも辛いと聞きます。 不妊治療の現状はどうなっているでしょうか?

不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック 厚生労働省より2017年に日本では56,617人が生殖補助医療により誕生しており、これは全出生児童(946,065人)の6%にあたり、約16,7人にひとりの割合になります。

2022年4月より、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精、顕微授精等の「生殖補助医療」が保険適用されることとなり、経済的な負担が軽減されるので、朗報ですね。

次に、社会の格差について。下のグラフ左は、所得金額階級別世帯数の相対度数分布、右は貯蓄現在高階級別世帯分布です。両方とも、グラフの左側が金額が少なく、右にいくほど高くなっています。左側の所得金額のグラフをみると、「200~300万円未満」が 13,6%、「300~400万円未満」が 12,8%と多くなっています。中央値は 437万円であり、平均所得金額(552万3千円)以下の割合は 61,1%となっています。

右のグラフの貯蓄現在高 https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2020_gai2.pdf で、
二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると,貯蓄現在高の平均値(1791万円)を下回る世帯が67.2%(前年67.9%)と約3分の2を占めており,貯蓄現在高の低い階級に偏った分布となっているのがお分かりいただけます。

超有効な少子化対策が取られないために、少子高齢化はどんどん進みます。高齢者は老後の不安があってお金を使いません。若者は雇用形態も不安定でお金がなくて経済は回りません。格差社会はどんどん広がります。「少子化対策がきちっと機能すれば、経済も社会保障も全て解決する。」と言う政治家もいますが、このままで日本は大丈夫なんだろうかと心配になります。この小説は、2040年の社会で、少子高齢化はもちろん、地震や噴火の影響も出てすごい格差が広がっています。

代理母とは

代理出産は、子どもを望む女性が自分の子宮を使って妊娠・出産できない場合、夫と妻(又は卵子ドナー)との受精卵を第三者の女性である代理母の子宮に移植し、出産を依頼することで子どもを授かる方法です。日本では法律に基づく規制はありませんが、(平成15年)社団法人 日本産科婦人科学会の会告により、「生殖補助医療への関与、また代理出産への斡旋を行ってはならない」という見解を受けて行う事ができません。

この主人公ユキは、自分を含む貧困にあえぐ女たちと子どもが欲しい人を助けたいと考え、法律・規則を調べて代理母システムを始めました。

近江商人の心得に、三方良しという言葉があります。goo辞書によると、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ とあります。なんの仕事でも三方良しでないといけません。

さて、ユキはどんな三方良しで社会貢献をしたでしょうか。皆さんも読んでみてくださいね。

次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

四十歳、未婚出産 ー高齢者優遇から子ども優遇へ

さくら終活の大西です。

このところ、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。今回は、「そういう差別的なこといわれるよね~。」「この後どうなっていくのかな?」と興味津々の『四十歳、未婚出産』についてお話いたします。

内容は(「BOOK」データベースより)ご紹介します。

言うのか、言わないのか。産むのか、産まないのか。40歳を目の前にして思わぬ妊娠に揺れる、旅行代理店勤務の優子。お腹の子の父親である28歳のイケメン部下、頭の古い田舎の母親、妊婦を「腹ボテ」と言うパワハラ上司、不妊治療に悩む同僚、若さを誇る美人女子社員…。お腹はどんどん大きくなるけれど、本当のことはなかなか言えない。このままシングルマザーになって、やっていけるのか!?  とあります。

出生数、合計特殊出生率について

出生数は第二次ベビーブームを過ぎると年々減少しています。2019年の出生数が90万人を初めて割り込み、86万5,234人となり、「86万ショック」と呼ばれましたが、コロナ禍もあり、2020年生まれの赤ちゃんは84万832人。2021年は81万1604人とどんどん減少しています。

合計特殊出生率は、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子どもの数の平均です。2005年に過去最低の1,289でした。その後、少子化対策が功を奏して持ち直していましたが、2020年は1,34、2021年には1,30になりました。

一方、21年の死亡数は145万2289人で、我が国の人口はどんどん減少しています。

産休育休について

労働基準法で、産前休暇は出産予定日の6週間前から、産後休暇は出産の翌日から8週間まで取れると決まっています。また双子など多胎妊娠の場合は、予定日の14週間前から産前産休を取得できます。
育児休暇は、女性は産後休暇が終わった翌日から子どもが1歳になる誕生日の前日まで取得できます。男性は、子どもが生まれた日から1歳の誕生日前日まで取得できます。
また保育園の空きがなかったり、配偶者の死亡・ケガ・病気などの理由がある場合は、育休は最長子どもが2歳になるまで延長することもできます。

厚生労働省の「令和2年度雇用均等基本調査」で、女性の育児休暇取得率は81.6%、男性は12.65%となっていますが、この小説の様なパワハラ・マタハラなど頭の古い上司は困ったものですね。

保育園事情

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名のブログが話題になってから5年あまり過ぎました。この表からお分かりのように、待機児童は減少傾向にあるとは言え、保活でご苦労されている話を耳にしています。

今コロナ禍で、親御さんや周りの人の助けなしに子育てに奮闘していらっしゃる方も多いと思います。子どもは可愛いけれど、命を育むのは相当大変です。  

話は変わりますが、以前、老人マル優といって65歳以上対象に元本350万円まで預貯金の利子に対する利子税の非課税制度がありましたが、2005年末、高齢化率20,2%の時点で廃止になりました。それまでは、高齢者は優遇すべき存在でしたが、今や高齢化率28,8%で、2025年には30%を超えそうで3人にひとりは高齢者になります。

一方14歳までの子どもの率は、12%弱にまで下がっています。こんなに少子化が進んで、子どもたちが本当に少なくなっている現状で,今や優遇すべきは次代を担う子どもたちですよね。

昔は、子どもが多くて、子育てはどこでも見られました。今はあまり目にしないから、手探りの育児になって大変です。今後は、産休育休は当たり前で、復帰後は「将来を明るくしてくれてありがとう。」と、皆が感謝してくれる世になり、多様な生き方を認め、家族や周りを始め、社会全体で子育てを支える社会が望まれますね。

さて、この小説の優子さんはどんなお母さんになっているでしょうか?皆さんも読んでみてくださいね。次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

うちの子が結婚しないので―老後の心配 年金の仕組み 

―老後の心配 年金の仕組み

このところ、垣谷美雨(カキヤミウ)さんにはまっています。垣谷美雨さんは1959年生まれの女性で、私と同世代。著書のテーマは、政治・貧困・ジェンダー・妊活・婚活・終活等と多岐に渡ります。どの小説を読んでも「そうそう。我が家もそうなのよ。」と共感しきりです。

今回は、『うちの子が結婚しないので』についてお話いたします。

内容は(「BOOK」データベースより)ご紹介します。

老後の準備を考え始めた千賀子は、ふと一人娘の将来が心配になる。 28歳独身、彼氏の気配なし。自分たち親の死後、娘こそ孤独な老後を送るんじゃ……? 不安を抱えた千賀子は、親同士が子供の代わりに見合いをする「親婚活」を知り参加することに。しかし嫁を家政婦扱いする年配の親、家の格の差で見下すセレブ親など、現実は厳しい。果たして娘の良縁は見つかるか。親婚活サバイバル小説!

この本を読んで一番思ったことは、『こんなに親が頑張らないといけないの?』ということです。そう言えば、ほんの2~30年前には仲人さんが居て、「あの人はどう?」「この人合うと思うよ。」とか、言葉は悪いけど、うるさいくらいお世話してくださいました。今は婚活アプリとか婚活パーティなどいろいろあるにはあるのでしょうが、実態はどうでしょうか?

生涯未婚率(50歳まで未婚)は、50歳時の未婚割合1をみると、1970(昭和45)年は、男性1.7%、女性3.3%でした。その後、男性は一貫して上昇する一方、女性は1990(平成2)年まで横ばいでしたが、以降上昇を続け、(2010(平成22)年国勢調査)では男性20.1%、女性10.6%、2015(平成27)年は男性23.4%、女性14.1%と、それぞれ上昇しています。2015年の国勢調査の結果に基づいて出された推計は、これまでの未婚化、晩婚化の流れが変わらなければ、今後も50歳時の未婚割合の上昇が続くと予測しています。

次は、令和3年版高齢社会白書から『高齢化の推移と将来推計』です。

1950年から2065年までを表しています。我が国の人口は、2010年をピークに減少しています。下からピンクとブルーが65歳以上で、赤が現役世代、14歳以下が黄緑です。ご覧いただくと現役世代と子供の減少が続くのがお分りいただけます。高齢化率は赤い折れ線で2020年は28,8%、2065年には、38,4%と推定されています。

年金制度の仕組みは厚生労働省年金局の資料から、ご覧のとおり、1階が国民年金これは20歳~60歳まで強制加入。2階が厚生年金。会社や役所勤めの人。3階は企業年金・個人年金です。

年金の平均受給額は、厚生労働省が発表する「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、 年金の平均受給額は、国民年金がおよそ5.6万円、厚生年金がおよそ14.4万円 です。

生命保険文化センターの令和元年度生活保障に関する調査によると、夫婦2人世帯の老後の生活費用の目安は、最低日常生活費が約22.1万円、ゆとりある老後生活費が約36.1万円、実際の老後生活費が約27.1万円(単身世帯は約15.2万円)となっています。

これらの調査結果から老後2千万円問題を指摘されているのです。

老後生活において、年金受給額は重要です。夫婦ふたりの年金だといくら。ご自身の年金はいくらと年金定期便などで把握しましょう。マネープランもしっかりと立てておく必要があります。

私が20代の始め、もう40年昔のこと、こちらは田舎なので、「24歳女性はクリスマスケーキと言われ、25歳を過ぎると売れ残り。」と言われました。今そんなことを言うととんでもないことになりますが。今では結婚だけが人生でなく、いろいろ多様な生き方が認められるようになりました。人生は修行だとも言われます。今が楽しければ良いというだけではなく、ずっと幸せのために、ライフプラン・マネープランをしっかりと立てて、幸せな人生を送りましょうね。

さて、この小説の千賀子さんの娘さんは良縁に恵まれたでしょうか?皆さんも読んでみてくださいね。次回も垣谷美雨さんの著書について発信しますので、是非ご覧ください。

不登校ってなあに?

連島公民館の人権教育講演会に参加しました。

NPO法人KUKKAは、不登校児とその家族を支援する団体で、不登校児のフリースペース『居場所』を連島公民館で開催しています。 その代表と副代表の講演をお聞きしました。

不登校児に「どうして、学校へ行けないの?」と聞いても、子ども自身もいろんな要素が絡み合っていてよく分からないので、うまく説明できません。

家族は、とにかく学校へ行かせようとしがちですが、辛くて敵わない時にそれは酷なことです。

本人も家族も辛いので、『行けなくて、どうするんだ。』という昭和の叱咤激励は、苦痛以外のなにものでもありません。

(写真のがまの穂綿のような)大きな愛で、優しく包んで、あるがままの状態を受け入れてください。そうすれば、本人も一歩踏み出せるようになります。

サナギの季節を知っていますか? 殻の中は外からは見えないけれど、殻の中で生きている命があります。無理やり引っ張り出すとどうなりますか? 十分成長すれば、自分から飛び立ちます。  

ということでした。

『効率重視』『○○するべき』との価値観の社会。おとなも子どもも生きにくい時代ですね。認知症でも介護でも、アンガーマネジメントでも、対応は同じ。「『○○すべき』という概念にとらわれず、あるがままの状態を受け入れて、本人の立場になって考える。」が大切です。

社会全体が、それぞれの個性を生かし、多様な生き方を認め、みんなが笑顔で健全な人生を送れるようにしたいですね。