桜のようにいきたい

実父の見送り時に、素人である家族の目にも、それまでと違う弱り方で、「もう無理だなあ。」と感じ、本人も「苦しい時間を引き延ばすだけだから、もう何もしないでくれ。」と言っているにも関わらず、医師から「まだ生きられます。」と強力に胃瘻を勧められました。「延命治療は、お断りです。」と言うと、「胃瘻は延命治療ではありません。栄養補給です。」と言われました。延命治療に対する見解は人に依って違うことに気付きました。

自分の終末期への意思表示をキチンと書面にすることが必要だと強く感じました。しかし、「どう書いて良いか分からなくて書けない。」という方も多いので、延命治療意思表示カードを作成し、アンケートを取ると、今度は、「治療名が分からない。」というご意見をいただいたため、実話を集めて絵本にしました。

優しいひいおばあちゃんは、歳を重ね、だんだん弱って、老衰の状態になってきました。延命治療をされ、だんだん変わっていくおばあちゃん。悲しい思いがずっと続く家族。

延命治療とはどんな治療でしょうか。同じ治療でも治る人には普通の治療で、いくら治療をしても回復せずに苦しい時間を引き延ばすだけの人にとっては延命治療です。延命治療になりうる治療名を示し、本人の気持ち、ご家族の想いを描き、いずれみんなに訪れるその時をどんな風に迎えたいかを考える教材絵本です。

続く…